Dir.坂本渉太
「こういう面白いことができる度量の深さがかっこいいなと思う」
――MVのコンセプトは?
打ち合わせで僕が手掛けたMVを見せながら話していくうちに「天才バカボン/チームしゃちほこ」のMVがイメージに合っていたみたいで、メンバーを3Dスキャンして動かしまくることに。ポーズはメンバーにおまかせしています。
あと、そのときにマイケル・ベイ監督が撮った「アサヒスーパードライ」のCMもみんなで見ていたんです。福山雅治さんが雄大な自然の中で一人でギターを弾いているのを遠くから空撮していて。そのニュアンスが面白いから取り入れることになり、雄大な自然の風景の動画素材をストック・フッテージで買って、雑にはめ込むことにしました。
――ガゼルの群れと一緒にメンバーが走ってますね。
ストック・フッテージで雄大な自然というテーマで動画素材を探しまくって見つけたものですが、まず合成できそうと思ったのと、フィーリングでこれは面白い画になるぞと確信しました。メンバーのヘンな動きは、超高精細に3Dスキャンしたものを手付けで動かしています。
――実写のパートも撮影したのはなぜですか?
CGだけだと間が埋まらないし、ギャグっぽいMVになってしまうからです。スタジオでの撮影では結構ストイックに撮りつつ、街中での撮影では新宿で何カ所かと中野ブロードウェイのゲームセンター、電車の中など、近場でいろいろ撮りました。
街中で撮った素材に3Dスキャンしたメンバーを実写っぽくリアルに合成しています。
――MVの後半でANIさんがゴリラに捕まっています。
Facebookで子供がゴリラに捕まったっていうふうに歩いているショートムービーをたまたま見て、画的に面白いから僕もやりたいなと。意味は全然ないんですが(笑)、こういうことも引き受けられるスチャダラパーの度量の深さがかっこいいなと思います。
アーティストのパブリックイメージを念頭に置きつつ、どこまで面白いことをやっていただけるのか、本人をいかに喜ばせるMVに仕上げられるかは、制作するうえで常に考えていることですね。
月刊MdN2018年12月号

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